1950年代まで農業国だった韓国は、1960年代に工業化をすすめ、以来、急速な経済成長をとげ、「漢江の奇跡」とよばれるような発展をみた。
国家の主導のもと、60年代には繊維産業が、70年代には造船や建設、鉄鋼業などが、そして80年代には自動車産業が急速な発展をとげ、有力な輸出品となった。
しかし、90年代に入ってグローバル化の波が押し寄せてくると、経済全体の構造改革が必要とされるようになった。1997年末に通貨危機がおこると大手企業が相次いで倒産、失業者もあふれた。外貨不足が要因のひとつであることから、国をあげて「金集め運動」がおこり、国のために役立てようと自分の金を寄付するものが続出した。国民一丸となってすすめた大胆な改革により、短期間のうちに貿易収支は黒字となり通貨危機から脱出した。
とくに2000年、全国107か所を光ファイバーでつなぐ基幹通信網が開通すると、 IT産業はめざましい発展をとげた。 翌2001年には、インターネット人口は、人口の半数をこえた。小中高のすべての教室は、インターネットでつながり、世界一の普及率を記録した。
数年前は日本の電化製品を買って帰る韓国の旅行者を多く見かけたが、いま日本にあって韓国にないものはないくらい、韓国ではいろいろな製品がつくられている。逆に日本よりも進んでいると思えるサービスもある。たとえばテレビゲームは、日本よりも安くてすぐれた環境のネット上で、誰とでも対戦できる。公共施設や高速道路のパーキングではインターネットは無料で使えることなどがあげられる。
韓国の人びとは未来の躍進を信じていて、町中に活気があふれている。 |
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『漢江の奇跡』の象徴63ビル
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「PCバン」というインターネットカフェがあちこちにある |