乗車体験記 韓国全土をむすぶ路線で活躍しているのが特急列車セマウル号です。先頭を最後尾の車両にディーゼル機関車がついています。釜山からソウルまでセマウル号に、そしてソウルから木浦まで新幹線にあたるKTXに乗りました。

乗車体験記(1)セマウル号(釜山−ソウル)


 KTXが開業した京釜線や湖南線でも、特急セマウル号は、KTXが停車しない駅の乗客を運んでおり、停車駅が以前よりふえたため乗客にとって便利になり、乗客の数もふえました。
 ソウルと釜山をむすぶ京釜線は、韓国の鉄道を代表する路線です。鉄道のほかにも京釜高速道路があり、この大動脈で韓国全体の旅客、貨物の70%近くが運ばれています。
 それでは、セマウル号に乗ってみましょう。
 韓国の駅の改札は、列車ごとにわかれています。セマウル号の改札は釜山駅の1階にあります。座席指定ですから乗車時刻に行けば座れるのですが、韓国人たちは発車時刻の30分くらいまえから改札口で行列してまっています。
 韓国の鉄道は広軌で、車体の幅も広く、一般室でも座席はゆったりしています。えんじ色の座席はリクライニングで、足をのせる台(フットレスト)もそなえてあり、乗り心地は快適です。
 車内放送はすべてテープで、韓国語(男声)のほか、英語(女声)、中国語(男声)が流されます。列車の案内だけでなく、車内に救急箱がそなえてあることまで伝える親切な内容です。京釜線にはいろいろな国の旅行客が乗る機会が多いからでしょう。
 食堂車やスナックカーがある列車もありますが、以前にくらべると料理が簡単なものになってきています。


乗車体験記(2)KTX(ソウル−木浦)


 2004年4月1日にKTX(Korea Train eXpress)が開業しました。
 営業最高速度は300H、フランスのTGVとユーロスターの技術を導入してつくられたものです。
 ソウルの龍山駅から木浦まで乗ってみました。従来の特急セマウル号では約4時間50分かかっていたところを約3時間でいくことができます。ただし、特急料金も3万8200ウォン(約3800円)ちセマウル号より25%高く、それでも航空運賃よりは38%安いそうです。
 KTXの改札は自動改札機が使われていますが、発車15分前にならないと通してくれません。それまで、乗客たちは広い待合室で舞っています。
 駅構内には、自動小銃を持った特殊部隊の隊員が、警戒・巡回しているのをみかけます。2004年にスペインのマドリードでおきた列車爆発事件のようなテロを警戒しているのでしょう。
 車内の座席は、特室(日本のグリーン車)が2+1、一般室が2+2と、ゆったりしています。もちろんリクライニングシートで、一般室でも日本のグリーン車なみの快適さです。特室のドアには濃いオレンジ色、一般室には青緑色の縦帯があります。
 ただ、特室の座席は回転して向きを変えられるのですが、一般室の座席は半分ずつ反対方向に向いていて、動かせません。まるで集団お見合いのようといった人がいました。おもしろいのは、座席の発売が、進行方向に向いている席から売られることで、列車によっては、進行方向の席だけ満員、反対向きはがらがらということがあるそうです。
 車内放送は韓国語だけでおこなわれていました。釜山にいくKTXでは、英語、日本語、中国語の車内放送もしています。車内の各種の案内表示は、韓国語と英語でした。
 座席に座ると、前の網ポケットにKTXの車内誌、脱出用安全マニュアルと列車利用の手引きパンフレットが入っていました。
●龍山から光明まで
 この区間は在来線を走ります。高層アパートが建ち並ぶなかを、ゆっくりと走ります。ちょっとゆれを感じますが、始興をすぎて高速新線のトンネルに入るとなめらかな乗り心地になりました。
●光明から大田まで
光明から大田までは新線の区間です。最高速度は時速300Hに達します。さて、時速300Hを実際に確かめる方法があります。線路脇に立てられているキロポストという長方形の青い表示板を探してください。キロポストは1Hごとに立てられているので、キロポスト間を12秒で通過すれば、ちょうど時速300Hなのです。
 山間地を走るため、トンネルをつぎつぎ通りますが、トンネルが大きく、車両も気密構造になっているため、耳がツンとすることはありません。
●大田から木浦まで
大田近くで新線からふたたび在来線に合流し、湖南線に入ります。西大田に停車、ここからは在来線の改良区間を走ります。日本でいえば山県新幹線や秋田新幹線の在来線区間と同じです。在来線での最高速度は時速150Hだそうです。ビニルハウスの並ぶ農村地帯を通って終点の木浦に着きました。木浦は港町で、海と魚のにおいがしました。